葛の生態系、文化との繋がりについて

葛の花サプリの体験談

クズはマメ科の多年草蔓性植物で、冬になると葛根と呼ばれる根に澱粉質を蓄えるのでこれを利用してクズ粉を作ります。

 

奈良県吉野郡吉野町国栖(クズ)が産地であったことからクズと名前がついたと言われており英名や学術論文でもKudzuという名が使われます。

 

生態系は日本各地のほか温帯から暖帯に分布しています。

 

藤と違って花が上向きに咲くことや葉の裏が白いことが特徴です。

 

繁茂力が非常に高く、1876年に日本からアメリカに輸出されたクズは、当初観賞用や飼料、緑化に土壌保全用として人気を得たものの1950年代以降は侵略的外来種として生態系から駆除されています。

 

「Kudzu」で画像検索すると生態系に対する威力が歴然です。

 

一方1991年にフィリピンのピナトゥボ火山爆発の後には生態系に配慮したうえでクズの特性が大いに利用されました。

 

クズの文化的利用方法

葛の文化的利用方法は多種多様です。

  • 和菓子に
  • 食用として100gのクズ粉を作る際には1sの葛根が必要なため非常に高価ですが、その食感は他の澱粉質に比して優れた特性を持っているため和菓子には欠かせない材料であり、初夏のクズ餅や水無月、冬のクズ湯などは季節と共に味わう醍醐味と言えます。

     

  • 生薬として
  • 生薬として使う場合の代表的なものは葛根湯です。血中コレステロール低下に効くイソフラボン類が多く含まれ発汗制御や鎮痛作用もあるので風邪や整腸剤として用います。採集は薬効成分が多い初夏に良いとされています。

     

     

  • 家畜の飼料として
  • 夏に葉を摘んで干しておき冬に牛馬に与えます。地方によってウマノオコワ、ウマノボタモチなどの異名があります。山羊や兎などもクズの葉を好みますが厄介なのが猪で冬の栄養たっぷりな根を掘り返して食べます。

     

  • クズ布は歴史が古く、新石器時代(紀元前4000年頃)の中国の遺跡から発見されており、日本では古墳時代前期(4世紀頃)の遺跡から出土しています。樹皮繊維は手間がかかる作業が必要ですが、現在でも静岡県掛川市の文化的特産品として作られています。

     

  • ロープ
  • 蔓をロープとして使う方法は、丈夫で手軽に入手できることからクズ布作り以前より普及していたと考えられます。近年では町の特産品として蔓を使う籠編みを活用した工芸品で町の活性化も行われました。他にも草履やわらじ作り、手漉きの和紙作りなども行われています。

     

  • 万葉集でも
  • 私達の文化と密接な関わりのあるクズについて、文学的な背景を見逃すわけにはいきません。奈良時代から秋の七草のひとつに数えられるクズは「水茎の岡の葛葉を吹きかえし面知る子等が見えぬ頃かも」と万葉集に山上憶良の歌が残されています。

     

  • 歌舞伎でも
  • クズの葉といえば人形浄瑠璃と歌舞伎の「葛葉伝説/信太妻」があります。蘆屋道満大内鑑では信太の森の白狐である葛の葉は縁あって安倍晴明の母となりますが、ある時に子供に狐であることがバレてしまったため家を去ります。何と言っても有名なのは葛の葉の子別れの場面で「恋しくば尋ね来て見よ 和泉なる信太の森のうらみ葛の葉」という歌。大阪府和泉市の信太森葛葉稲荷神社は伝説の舞台として今も人気です。

     

  • 小説でもも
  • 谷崎潤一郎の小説「吉野葛」ではこの話を踏まえ、作者の友人が「母の面影を求めて信田の森へ行った」というエピソードも綴られています。谷崎は執筆にあたって小説の舞台となる吉野や国栖を訪れ吉野クズ粉の老舗を取材した際にクズ料理のもてなしを受け東京へ帰ってからも毎年のように吉野クズを取り寄せたと伝えられています。